ダイキン工業株式会社

テクノロジー・イノベーションセンター

研究開発している技術にどれほどの事業性を期待できるのか計りかねていた

花岡さんのお仕事の内容を教えてください。

私はテクノロジー・イノベーション・センターというところで研究開発の仕事をしています。といっても単に研究だけをやるというわけではなく「この技術を開発したら、どのような商品に展開できて、どのような価値を生み出すのか」を考えて決めた技術テーマに従って、研究開発を行なっています。

今回、Wemakeを使ってみようと思ったきっかけを教えてください。

私の所属しているチームで取り組んでいる技術テーマが、どれほど事業性を秘めているものなのか計りかねていたんです。そのタイミングで、上司から(技術の事業性を探るソリューションとして)Wemakeを使ってみたらどうかという話がきて、自分たちの技術テーマがどのような事業や商品として活用できるのか、広く深く探索するための取り組みとしてWemakeにお世話になりました。

アイデアあれども"当事者意識"なくては進展なし

今回の募集テーマにはどのような意図や狙いがあるのでしょうか。

これまでダイキンは温熱や気流、除湿、空気清浄という空調事業をやって来ましたが、空調がこれからお客さまにどのような価値を届けていくべきかを考えた時に、近未来において"何がお客さまにとって新しい価値になるのか"を知ることがまず必要だということに気が付きました。 そこで、Wemakeの優秀なユーザーの方々に"これからの空調の価値"は何だろう?と問いかけ、ほしい空調サービスや空調技術を発展させた商品を提案していただくことで、温熱、気流、調湿、空気清浄などの既存技術で提供できる価値から一歩飛躍した、室内にいる人間に大きな価値を提供できる新しい体験を見出そうとする狙いがあります。

空調という分野で新たな価値を考えるときに、よくキーワードに「五感」が上がってくるんです。ただ、五感の中で、どの感覚にどのような刺激をどのような手段で与えるかといったことは、技術ドリブンのボトムアップなアプローチではなく、むしろ出口である商品から逆算して見出すアプローチのほうが、ずっと事業可能性のある方向性が見つかるんじゃないかと考えて、今回のテーマで募集させていただきました。

他にも社内で技術の事業可能性を考える取り組みはやってこられてたのでしょうか。

これまでも何度か有志で集まって、他部署との意見交換や外部との共創など事業可能性を作るための取り組みをやってきました。そういった取り組みでアイデア自体は出るんですけど、その商品を研究開発する当事者でないと、それ以上先に進まないというのが課題として感じていました。具体的に進めていこうとなった時に、みんな自分の仕事あるしな、と。

企画から共創し、思い入れがあるからこそ当事者意識が芽生える

Wemakeだといかがでしたでしょうか。

様々なオープンイノベーションの手法があるなかで、Wemakeではユーザーと社員が一緒に共創するからこそ、社員もその事業コンセプトやテーマに対して共感や思い入れが生まれますし、それが研究開発を継続して進めていくという強いモチベーションになります。そこが、アイデアソンや社内公募等の他の取り組みとは大きく違います。

結局のところ、その新規事業テーマや研究開発テーマを継続できるかどうかは、担当者自身の思いの強さが相当大きく影響すると思っているので、いわゆる外注のように受け身で提案されるのを待つのではなく、コンセプトを企画・ブラッシュアップするプロセスからダイキンの担当者も参加して、自分の思考や想いを乗せられるところがWemakeを通して生まれたコンセプトの良さだと思います。

実際、私自身の話なのですけれど、Wemakeのプロジェクトが終了した後も、いま自分が研究開発している技術のゴールイメージが明確に思い描けていることで強い思いを抱きつづけることができ、結果的に研究所がこれから取り組んでいく、主たる研究テーマとして認められたので、本当にWemakeを使った甲斐があったと思っています。

社員のマインドセットが大きく変わった

Wemakeで想定外の成果などはありましたか。

いちばん強く感じたことは、社内で企画創出に取り組むと今までの経験の範囲内で「できる」「できない」を判断してしまうので、「できない理由」のほうが見つかりやすく、それ以上企画が膨らまなくなってしまうことが多いんです。結果、残るものがすごく現実的で飛躍のない、既存の延長線上なものになってしまう。 Wemakeでは、まずそういう前提を取っ払って理想像を思い描いたのち、途中から社員も加わって現実的な実現可能性やビジネスとしての収益性の観点でも厳しくブラッシュアップをするので、アイデアの飛躍感と事業としてのフィージビリティのバランスがとれた企画になりやすいです。 社員としても一旦すべての制約を取っ払って新鮮な気持ちでアイデアを出せますし、Wemakeのユーザーから提案されたアイデアに対しても、できない理由を探す気持ちにあまりならないというか、可能性を考えてみようという気持ちになります。そうやって、社員のマインドセットに変化が起こったということも成果だったといえると思います。