新しいプレミアムチューハイブランド開発を目的にWemakeを利用
はじめに、会社の事業内容と山下さんの業務内容を教えてください。
アサヒビールは2009年に創業120年、設立60年を迎え、現在「第3の創業期」と呼ばれています。「期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造」を掲げ、「お客様の最高の満足のためにお酒ならではの価値と魅力を創造し続ける」を長期ビジョンに制定し、その実現に向けて全社員がお客様の立場に立ち、高い目標に向かって挑戦し続けています。
私の所属する技術開発の部署はマーケティング部署とタッグを組みながら、商品開発を行っています。
Wemakeの利用用途を教えてください。
Wemakeは新しいチューハイのブランド開発をするにあたって、利用させていただきました。お客様はチューハイ商品を選ぶ際に、特定のブランドだけではなく、さまざまなブランドを購入しようとする方が多く、主要フレーバーであるレモンやグレープフルーツ以外の商品で一定の売り上げを通年、複数年通して継続することが難しいという現状があります。これらの事情から、チューハイのようなRTD(購入後そのまま飲める缶やペットボトル入り飲料)は、ビールなどと比較すると価格競争に陥りやすく、安く販売されることが多いです。
私たちはここに問題意識を感じており、「手頃で買いやすい」、「いろんな味を楽しめる」 「イージーに酔っ払える」 、この3点以外の価値のある商品を創りたいと考え、その切り口として「プレミアムチューハイ(仮)」カテゴリーをWemakeを通じて、皆さんと創造したいと考えました。
新ブランド開発にあたり、外部の人の意見を取り入れようと思ったのはなぜでしょうか。
私たちはこれまでスーパードライの「キレ味」に代表されるような、情緒的な価値よりも機能的な価値の側面での商品開発をしてきました。しかし今回は、これまでのイメージを変えるような、情緒的な側面からもコンセプトを抽出する商品を作りたいと思ったんです。そのためには社外の様々な方から意見を集めることで、既存のイメージに囚われない多角的な意見が得られるのでないかと思い、Wemakeの活用に至りました。また、実際の消費者に近い方たちの方が、より俯瞰したアイデアが得られるといった期待もありましたね。今回のプロジェクトは技術開発のメンバー中心に構成し、情報連携のためにマーケティング部門の責任者にも関与してもらいスタートしました。
業界外の人だからこそ思いつくアイデアを得られた
実際にWemakeを使ってみていかがでしたか。
プロセスの部分が想定よりもハードでしたが、期待どおり社内の人間だけでは思いつかないようなアイデアをたくさん得られたと思います。我々は物を中心に考えてしまうので、概念から落としていく考え方が勉強になるし、皆さんが持つ世界観がバラバラで面白かったですね。今回募集した中での1位の提案は、ワインやウイスキーなどあらゆる種類のお酒を活用する提案でした。どうしても社内の我々は酒類業界の目線でお客様を捉えてしまったり、ビールはビール、ワインはワインと縦割りで分けて考えてしまったりするので、思ってもなかった考えです。
また、パッケージデザインについても、事前に期待していた以上に、従来のアサヒのイメージを良い意味で裏切る素敵で素晴らしいクオリティのものがたくさん集まりました。さらに実際に開発している担当者がメンターとして企画の仮説検証プロセスを実際に体験することで人材育成もでき、顧客価値を考えるいい機会にもなってとても良かったです。
Wemakeは嗜好品や消費財に関わる企業に特におすすめ
Wemakeを技術開発の部署で再度利用するとしたら、どのような場面での活用を想定されますか。 また、Wemakeをどんな企業におすすめしたいですか。
受賞作品は特にクオリティが高く、Wemakeを使って良かったと感じます。今回はプロトタイプ試作などの際に、コロナウイルスの影響で物を直接提案者の方々とやり取りできなかったのが無念ですが、現在進めているプロジェクトで試作品を作るところまでやりきりたいと考えています。Wemakeは消費者に近い方々からのアイデアを集めることができるので、アサヒビールのような嗜好品や消費財に関わる企業に特におすすめしたいですね。