mIDoT技術を応用したねじの締付保証システム

ペンで書いた点とデジタル情報を繋ぐ技術(mIDoT)の活用アイデア
投稿 : 2017/12/25(月) /  公開

メンバー紹介

Nobuhiro Kawabata
投稿者

Yo Ishigaki
チームメンバー

fukumoto@nec
企業担当者

slopetop
企業担当者

さいたま市でプロダクトデザインを行っています。

課題や欲求

生産現場の正社員削減に伴い、派遣社員や期間工の採用により、熟練工不足による製品の品性低下が問題になっている。1本のねじの締め忘れなどにより、大きな問題が発生する危険性があり、製品を製造するメーカーにとってISOやQS等の品質マネジメントにより、ねじの締付全体を保証する事は喫緊の課題である。

ねじの締付に関する問題は、下記のように分類される。

①MAN(締付作業者)のミス・・・締め忘れ、締付危機の誤った使用
②METHOD(締付方法)のミス・・・締付数値の設定不良、締付順序不良、締付危機の選定不良
③MACHINE(締付器具)のミス・・・精度不良、作動不良
④MATERIAL(ネジ継手部品)のミス・・・精度不良、作動不良

この中で特に①の作業者による単純ミスが多く、締め過ぎ、締め不足、締め忘れなどがある。

また、締付作業では作業効率を向上させるために、インパクトレンチで仮締めを行い、次工程で本締めを行う作業が多く採用されており、仮締めと本締め後のねじの状態が見た目で区別しにくい事もミスの要因に繋がるため、機器による自動判別を行う仕組みが望ましい。

ソリューションと提供価値

現在の締め忘れ防止システムは、下記の方法が行われている。

①本締め回数をカウントする方法(一般的)
 トルクレンチが締付完了信号を出し、カウンタで数える。
②作業者がペイントマーカーでねじにマーキングする方法
③締付ソケットの中にインクを染み込ませたフェルトを入れ締付を行う方法。
④締付完了と同時にインクを吹き付ける方法
⑤締付完了と同時にボルトやナットにマークを付ける方法

今回提供するソリューションはもっとも信頼性が高く最適な方法である⑤をベースに、mIDoTの技術によりさらに発展させたシステムである。

トルクレンチにmIDoT用のペンとカメラ、無線通信機能を組み込んだユニットを組み合わせた締付器具により、規定トルクで締め付けを行うとラメ入りマーカーの点をボルト頭に打つ。次にカメラで撮影を行った後、「日時」、「締付器具番号」、「作業者」、「ねじの場所」、「締付トルク」、「締付順序」、「環境データ(温度・湿度・気圧)」、「増し締め検査データ」等を紐付けしてデータベースに記録する。ねじの締付管理を詳細に行い証拠を残す事で、ねじの締付保証が可能となる。

コンセプトの詳細

検討事項

・キャップスクリュー用などねじの種類によって機器構造を変更する必要がある。
・速乾性のインクを前提としているが、難しい場合は締付前にねじに予めマーキングしておく方法も考えられる。
・増し締め検査用は誤って点を上書きしないように、カメラのみ搭載した機器もラインナップしても良い。
・製品製造時だけでなく、定期点検などの現場での応用も期待できる。

参考文献:最近のねじ締付保証システム~卓越した締付トルク管理技術をめざす~(株式会社東日製作所 飯室 隆氏)