CAMs技術を活用したヒンジレス自動車用シートフレームの提案

素材に動きや弾力を生み出す技術(CAMs)の活用アイデア
投稿 : 2019/3/31(日) /  公開 受賞

メンバー紹介

Hal
投稿者

uni
チームメンバー

Yasuo Kakishima
チームメンバー

川口学
チームメンバー

山口 総一郎
企業担当者

富田 秀敏
企業担当者

上原 直樹
企業担当者

インハウスのプロダクトデザイナーです。個人でも様々なデザイン活動に関わり提案をおこなっています。

■WEMAKE参加実績
京セラPJ-最優秀賞、LIXIL非公開PJ-最優秀賞&特別賞、JR西日本PJ-最優秀賞・三井化学PJ-優秀賞・IBR PJ-特別賞・旭硝子PJ-特別賞(旭硝子主催の展示会へ作品提供)・石塚硝子PJ-ファイナリスト(4位、事業化に向けて推進中)・LIXIL PJ・DAIKIN PJ・ノーリツPJ、コアマシナリーPJファイナリスト

自動車内装部品メーカー勤務
商品企画から試作品製作、生産技術、量産移管まで

Automotive seat:
* Quality Assurance (Ikeda Bussan)
* Comfort research (Ikeda Bussan & Univ of Michigan)
* Design & Development (Johnson Controls & Tachi-S USA)
* Advanced Engineering (Tachi-S USA)
Tape industry:
* Global value chain engineer (TESA tape NA)

初めまして。メカトロエンジニアの川口 学と申します。

私は、これまで、「人に役立つ」医療機器、ロボット、電動パワステ、アナログ・デジタルX線読取装置などの開発・設計の経験が約20年近くあります。

特に中堅時代ではCAEとQE活用による初期段階からのロバストな構想立案や素材選定を軸とした要素開発を実行推進してきました。計画構想での定量的な予測による方向性出し、そして試作機の実機検証と設計フィードバックには自信があります。

現在は、自社初の新規樹脂材料と造型方式の考案と新規アイテムの創出による事業開発に従事しています。

Nature Architects株式会社
プロジェクトマネージャー

三井化学

三井化学株式会社入社後、重合触媒の研究開発に従事、その後、機能樹脂事業本部、モビリティ事業本部にて、新製品開発に従事、現在、次世代事業開発室で新事業創出に従事

課題や欲求

ー車体を1gでも軽くしたい──

多くの国で燃費規制の強化が進む中クルマの軽量化は自動車業界にとって最重要課題の1つとなっている。今、クルマの設計者は軽量化をもたらすアイデアを渇望しています!

実際に開発の現場では少しでも軽くするためにパーツ構成要素を減らしたり、新素材を活用した軽量化の努力があらゆるパーツで検討されています。

自動車を構成するパーツの中でも特に可動部が多く大きなウエイトを占めているのがシートフレームです。特にミニバンの多彩なシートアレンジや高級車向けの調整箇所が多いフレームは可動部が多く、たくさんのヒンジを設ける必要があり、それが原因で重くなりがちです。この可動するために必要なヒンジ部ををなくすことができれば軽量化に寄与できるのではないでしょうか?









 

ソリューションと提供価値

そこでシートフレームで必要な可動部にこのCAMs技術を利用すれば、ヒンジをなくすことができ、軽量化に寄与できるのではないかと考えました。

フレームのヒンジ部をなくすメリットは2つあります。

1-パーツ点数を減らし軽量化とコストダウンができる
ヒンジがなくなることでシンプルなフレームが実現できます。


2-今までできなかったデザインを実現できる
多くのショーモデルでデザイナーはシートバックとクッションが一体となったシートデザインを提案しています。しかしながら既存フレームではリクライニングの為のヒンジがあり形状の一体化は難しいのが現状です。また既存シートでは回転ヒンジ部を隠す為にカバーが必要になり、これもシート下部のシンプルなデザインの創出を妨げています。

CAMs技術によりシートバックフレームとクッションフレームを一体化したフレームにすることで軽量化だけでなくデザイナーがショーモデルで提案するような未来のシートデザインを実現できます。






 







コンセプトの詳細


このアイデアをどこに提案していくかですが、日本では主に3つのシートメーカ(トヨタ紡織、タチエス、TS-TECH)があり、これらのメーカーに最終的に提案していくことを目指します。

※自動車の軽量化、燃費達成についての補足
自動車のシートデザイン開発はデザイナーと設計者が協議しながら進めていきます。開発の中で燃費向上というより設定した燃費目標達成の為のため各パーツで軽量化が求められることがよくあります。その場合は設計者は本当に1gでも軽くするために努力します。通常目標値をたっせするためのウエイト目標が各パーツに与えられるのでそれを達成するために削れるところはとことん削ることになります。

デザイナーの視点から見ると設計者はデザイン形状や機能を変えてでも目標達成を求めてきますので、時に話し合いの決着がつかず平行線をたどることになります。例えばシートアームレスト(セダンやミニバンのリアシートの真ん中についているもの)のカップホルダーやボックスの蓋のヒンジ金具を少しでも軽量化するためになくし、蓋をやめてオープンタイプのカップホルダーに変更したいといったデザイナーから見ると大きなスタイリング変更を余儀なくされる提案をされます。

ですのでヒンジ金具をなくすアイデアはこのような場合に有効になるのではないかと考えています。(その場合は金属ではなく樹脂での設計になると思いますが)

またシート以外でも自動車のインテリアパーツにはコンソールやダッシュボードドアなどにもボックスやカップホルダーの蓋用にヒンジがありますのでそこでも使用することができると考えています。また自動車のエクステリアでは可動パーツ、例えば空力向上のために可変するウイングなどに使用できるのではないかと考えています。

それ以外にもさまざまな使い方提案を自動車業界におこなうことができ技術だと思います。ご検討よろしくお願いします。