NEXT AIR PROJECT

2016/8/30(火)
ダイキン工業TIC副センター長 稲塚さんにインタビューしました!

ダイキン工業との「NEXT AIR PROJECT」発起人の1人でもある、ダイキン工業テクノロジーイノベーションセンター副センター長の稲塚さんにインタビューしました!

これまで携わってきたこと

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私が入社した当時は、部署の人数も少なく、ミッションも特にないような状態で、当初は計画的な技術開発をしていたというよりは、誰も答えを知らない課題に対して、自分で解決策を考え、仮説を作ってはとにかく手を動かして検証するというプロセスを興味本位に繰り返したことが、無駄も多かったかと思いますが非常に力になったと感じています。

オープンイノベーションを阻害するもの

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しばらくすると与えられた仕事だけでは飽き足らなくなり、自分たちでテーマを見つけてきて商品をイメージした技術開発をしていました。

例えば室外機をスリムなタワー型にしてベランダを広く美しく使ってもらうというコンセプトの言わば、「ベランダエアコン」の技術開発をしました。これは当時の最新技術をてんこ盛りにした意欲作で、展示会でも一番評判が良かったのですが、実際に事業化を担当する部署に提案したものの商品化には多くの課題があり、残念ながら世の中に出すには至りませんでした。

やはり技術開発する人と事業責任を負う人との緊密なコミュニケーションが本当に重要ですね。社内でのオープンイノベーション、コラボレーションの難しさを感じたと同時に、その重要さを感じた最初の体験でした。

オープンイノベーション成功のコツ

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新しくてリスクのあることを、事業部門にお願いしてやってもらうという構造では、やはり新しいことを推進・実現しにくいです。新しいことを提案する人が自ら責任を持って実行するということが大事で、それを社内の構造的に実現できるしくみ作りがまず肝要です。

ここTICは、技術開発を得意とする人と、商品開発を得意とする人が渾然一体となった組織であり、まさにこの問題を解決する組織構造になっていると言えます。さらに、社外の方々とのコミュニケーション、協創活動を促進する為のしくみが色々と設けられています。

オープンイノベーションというのは、異なる能力・視座を持つ人や企業が、1つのゴールに対して協創するという点で結婚と似ていると感じます。つまり、お互いの”違い”に対してある程度の寛容性を持ち、お互いの足りないものを補い合い、より高いものを目指すといった成熟したコミュニケーションを交わすことが重要だと考えます。

今回のプロジェクトについて

今回は我々TICと、生活者の皆さんの”結婚”ですから、お互いの死角を補い合うようなコミュニケーション、コラボレーションができれば良いなと思います。

ないものねだりも大歓迎ですので、皆さんはあくまで「自分が欲しいもの、サービス」の提案を徹底していただければと思います。もちろん「食べられるウンチ」のような荒唐無稽なないものねだりでも結構ですが、出来れば既存技術のうまい組み合わせで社会に役立つ新たな価値をたくさん創造したいですね。